スリングを手作りされる方へ、注意とお願い

ベビースリングは簡単に手作りする事ができ、快適な育児を楽しめて赤ちゃんにも心地よいスグレモノです。
しかしスリングは赤ちゃんの命を預ける命綱でもあり、その使用には少し練習を必要とします。
新聞などで報道されるように、粗悪品や誤った使用法による事故が絶えないのも残念ながら事実です。
そこで、注意点と会からのお願いを書いてみました。手作りに際しどうかご一読下さい。

作る際には、なによりも「安全性(丈夫さ)」を最優先させてください。

1)アクリルや木のリング、継ぎ目の処理の悪い金属リングは絶対に使わない。

スリング専用のナイロン樹脂やアルミのリング、また良質のステンレスリングは荷重がかかりすぎた場合でも変形してから破損するため、事前のチェックで赤ちゃんの落下事故を回避する事が出来ます。
一方、よく手芸店で売られている透明な樹脂(アクリル)や木のリングは前触れ無しにパキッと割れるため非常に危険です。見た目は良いのですが絶対に使わないで下さい。
ステンレスリングは鋼線を丸く曲げて溶接し、製造されます。この溶接部分が不良でカドが見えていたり、溶接跡のバリやケバがあると布が引っかかり裂けてしまいます。そういったリングは絶対に使わない事。
また、溶接そのものがいい加減で強度不足のものも多いので、必ず耐力荷重の確認をして購入して下さい。
※耐力荷重(破断荷重、強度などとも表記)は、ステンレスに限らず全ての素材のリングで確認してください。
 確認できないもの、耐力荷重100kg以下のものはお勧めできません。
一見リングのようでも溶接されていないC形の金属リングなどは論外です。(100円ショップ品に多い.)

2)ダブルガーゼやインド綿は要注意。

ガーゼは肌触りが良いので生地屋さんで勧められる事も多いようです。インド綿も風合いが良いので、ハンドメイド系のネットショップ品でよく使用されています。
しかし織り目の粗い生地は、使ううちに縫い目が広がってきてしまうため、常に荷重がかかるスリングの材料としては勧められません。
加えてガーゼは一カ所切れるとそこから一気に裂けるので、単独で使うのは危険です。別生地と2枚合せでリング無しスリングに使うなど、使用法を工夫して下さい。

3)透明糸は使わない。

布の色を選ばない透明糸。でもほどけやすく、肌当りがちくちくするのでスリングには向きません。またアイロンの熱で溶けるなど、耐久性も問題があるので使わないで下さい。

4)布を継がない。

違う柄の布を組み合わせてツートンに仕立てたものをネットオークションでよく見かけます。見た目はかわいいのですが、布を接ぎ合わせて作るとそれだけ強度が下がります。
デザインに変化を出す場合はまず1枚布でベースを作り、後から別布を当てるなどの工夫をして下さい。


責任を持ってフォローできない相手の手に渡るような事は、しないで下さい。
(ネットオークションやフリーマーケットでの販売、遠方の人や直接知らない人からの制作依頼など)

信頼の置けるショップの商品は専門機関で強度試験をきちんと行い、万一事故が起きた時の保険にも加入しています。
一方手作り品は、そういうわけにいきません。また、どんなにしっかり作ったスリングでも正しい抱き方が出来なければ赤ちゃんが落ちてケガをする可能性があります。
身近な友人など、まめに不具合や抱き方などのフォローがしてあげられる相手なら良いのですが、そうでない相手へスリングを作って渡すことはやめて下さい。プレゼント等どうしてもという場合は、フォロー体制がきちんと整っていて信頼できるショップの商品を贈りましょう。
 使い方を知らない人が手作りしてプレゼントするという行為は「無責任な自己満足でしかない」ということを、どうか理解して下さい。見た目の形だけなら、誰でも作れるものなのです。


作り方の資料は、交流会以外の場所で人に渡さないで下さい。

会発足当時に作り方をご提供頂いた個人サイト「Maison d'Erabl(現在は閉鎖)」の管理人maple様から「作り方を教えるよりも、正しい使い方を教える事が先決です」というメッセージを頂いています。
この会で作り方を紹介するのも、会に参加していただいて抱き方等のフォローが可能な事が前提となっています。
「作ってみたい」という方がいたら、資料をコピーしてあげるのではなく交流会へお誘い下さい。
間違った使い方で危険に晒される赤ちゃんを作らないために、どうかご理解とご協力をお願いします。


(2005.11記 2007.7修正)